クビアカツヤカミキリの防除対策について

2023年6月26日

 クビアカツヤカミキリは、幼虫がモモ、サクラなどの樹木の内部を食い荒らす外来生物です。被害が進むと、木が弱りやがて枯れてしまいます。
 平成27年7月に板野町内のモモ園で初めて被害や生息が確認されて以来、近隣のモモ産地にも分布を拡大しています。
 被害の拡大を食い止めるためには、見つけたら早期に防除することが重要です。なお、本虫は特定外来生物に指定されており、飼養等(飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入・野外への放出等)が原則として禁止されています。つまり、採集した個体を飼育したり、移動させる、さらに他の地域へ放つと法律によって罰せられます。

 

クビアカツヤカミキリとは
【成 虫】
・体長は2.5~4cm程度で全体が光沢のある黒色をし、胸部が赤く突起状になっているのが特徴です。
・例年6月下旬から8月上旬(ピークは7月第1週)に樹から羽化脱出し、雌は交尾後モモやサクラなどの幹や太い枝の粗皮の裂け目などに、乳白色の卵を300個程度産み付けます。


【幼 虫】
・乳白色のイモムシ状で、孵化した後に樹の中で2年かけて成長します。つまり、3年目の初夏に蛹となります。
・若齢の時は樹皮下を、その後成長に従い、形成層、木部へと食い進んでいきます。
・モモのほかに、ハナモモ、スモモ、ウメ、アンズ、サクラを食害します。

 

被害の特徴
・成虫は、樹液や傷んだモモの果汁などを食べますが、葉や樹を食害することはありません。
・幼虫は、5月から10月に樹内を摂食しながら、せん孔します。その際にフラス(フン、木くずと樹液が混じったもの)を大量に排出し、それが被害の目印となります。

 

対策について

【成 虫】
・発生時期となる6月下旬から発見次第に捕殺してください。
・登録された農薬を使用方法に従い、散布してください。
・樹から羽化脱出する個体の拡散を防止するため、樹幹にネットなどを被覆してください。

 

  【幼 虫】
・フラス(木くず)が排出される時期に、排出口からドライバーなどで樹皮を剥がしながら食入孔を探り、幼虫を発見次第、刺殺してください。
・樹皮を剥がした部分には、保護資材を塗布してください。
・食入孔を探索しても幼虫が奥深くにいるなどで発見できないときは、排出口にエアゾール剤のノズルを差し込み薬液を噴射してください。

 

【被害樹の処分】
・食害を受けた樹木は、伐採・抜根してください。
・伐採した幹・枝は、園地に放置せず、チッパー等による細断や地中への埋設などで処理してください。
・抜根ができないときは、切株を厚手のシート等で被覆するか覆土してください。

 

防除に関するお問い合わせ
〒779-3233 名西郡石井町石井字石井1660
徳島県立農林水産総合技術支援センター病害虫防除所    電話:088-674-1954
徳島県立農林水産総合技術支援センター高度技術支援課 電話:088-674-1922

 

関連資料

 クビアカツヤカミキリの防除対策(徳島県HP)